pu-log’s diary

たくさんの物語と出会うことを今年の目標とする。

20240101からの雑記

01/01(月)

地震

横になってのんびり寝正月していたら、ゆらゆらしていることに気づく。地震か、とさして気にもせずにいたら、けっこうな大揺れが襲ってきた。いつもより数倍大きな地震、飛び起きて、とっさの判断で机の上に置いていたコップを手に取った。次に建付けが歪んだら家から出られなくなることに気づき、玄関までの扉を開けてルートを確保。キッチンで物が落ちる音がする。見に行ったら高いところに置いていた細々したものが散乱していた。ストッパーをし忘れていた電子レンジのワゴンが動いている。ああ、あれ元に戻すの大変なのに。日頃の油断のツケはこういうときにまわってくるのだ。あれも落ちそう、これも落ちそう、どうしよう、いざとなると何もできなくなる人を実践し、水の入ったコップを持ってうろうろしているうちに揺れは収まった。

物を少なくしていたのが幸いし、被害は少なかった。震源地は震度7、家が倒壊するレベルじゃないか。新年早々大変なことが起こってしまった。私の地域は大丈夫だが、水に近いところに住む両親は念のため海抜が高い場所へ避難していた。山の中にある神社へ初詣に出かけていた親戚は、家に帰らずそのまま山で過ごしていた。

落ち着いたころ、県外のネッ友から安否確認の連絡が入る。普段まめに交流があるわけではないが、いざというとき気にかけてくれるのは本当にありがたい。暖冬とはいえ冬、被害があったご家庭への支援が迅速に行われるよう祈る。
 

01/02(火)

今年の自分目標

昨年度は毎日日記をつけるだった。今年はどうしようかと考え、「多くの物語と出会う」にしようと決めた。完全に小島イズムに侵食されとるが、本好き、映画好き、ゲーム好きであれば小島監督に感銘を受けるのは必然なのである。彼が自分の大好きな物語を発信するフィールドとしてゲーム業界を選んだ人であることを、もっと多くの人に認知してもらいたい。

そんな小島監督が言っていた言葉。「本を読むと自分の知らない世界に行ける、職業になれる、異性になれる、過去にも未来にも行けるし、ファンタジーであればこの世にない世界に入ることができる。そこで体験して自分に必要なものを持って帰るのが読書だと思っている」。お手軽に、家に居ながらさまざまな体験をもたらしてくれるのが本の世界というわけだ。

行ける場所も出会える人も限られている一度きりの人生、そんな人生の終着点を見つめることが多くなった今だからこそ、多くの物語を体験したいと思ったのが目標設定の理由である。彼のように毎日映画を1本見るなんてことは難しいが、媒体を選ばなければ何とかなるだろう。

それで早速ブックオフへ出かけたのだが、昨日の地震の影響で午後からの開店となっていた。大きな被害はなくとも本棚の本が落ちるくらいには揺れたし、そりゃそうだ。
 

01/03(水)

ぶっとおしエイリアン

エイリアン (吹替版)エイリアン2 (吹替版)エイリアン3 (吹替版)
エイリアン:コヴェナント」「プロメテウス」「エイリアン1,2,3」とアマプラで視聴。
順番的にはプロメテウスが最初なのだが、ラインナップにあるのを知らずにコヴェナントから見始めてしまった。結果的にこの順でよかったと思っている。
プロメテウス (吹替版)エイリアン:コヴェナント (吹替版)
エイリアン1,2は何度見ても最高だからいいとして、前日譚2作は余計だった。確かにエイリアン1で危険生物は外部から持ち込まれたもの、と言ってはいたけれど、誰が持ち込んだかなんて40年以上、監督含め誰も気にしちゃいなかったでしょ。

ストーリーはwikiに最後まで書いてあるから気になる人は見てほしい。
プロメテウス (映画) - Wikipedia
エイリアン: コヴェナント - Wikipedia

物語を知ると、なぜにつまらないのかがわかる。コヴェナントとプロメテウスはサスペンスなのだ。エイリアンの設定を借りた人間ドラマがメインで、狩る側と狩られる側の恐怖や攻防を無条件に楽しめたエイリアン(エンタメ)とはまったくの別物と言っていい。エイリアンの前日譚と言わず、ただのSFサスペンスと銘打ってくれていたなら、もっと素直に楽しめたかもしれない。
 

01/04(木)

宇喜田の捨て嫁

宇喜多の捨て嫁 (文春文庫)
歴史に疎い私は今作で初めて宇喜田直家を知った。乱世の極悪人として有名らしいことがわかったが、家族や家臣を愛しているからこそ情を捨て、成り上がっていった今作の直家が実像であってほしい、そう願うほど魅力的な人として描かれていた。語り手を変え、視点を変えて綴られていく彼の所業を、善悪で測ることなどできない。直家が何を考え、何を胸に抱いていたのかは想像するしかないが、憎しみを一身に受け止め、生きながら腐り果てていくことが自身への罰だと思っていたのではないか。ただただ哀しい人であった。
 

01/05(金)

友人とくら寿司

最近寿司ばかり食べているような気もするが、ハンバーグを却下されたので仕方ない。

チェイサーという言葉がある。本来はお酒の合間にはさむ軽めの飲み物を指すのだが、同じ考え方を食事にも適用することがある。大食い選手権で、焼き肉を食べながらスイーツを注文している人を見たことがあるだろうか。もしくは、饅頭を食べているときにたくわんを食べたいと思うことはないだろうか。つまり、しょっぱいものと甘いものを交互に食べると、食の永久機関が確立するのである。

この度の寿司で私はアイスで口直ししてからさらに寿司を食べようとしていた。だが、デザートを食べた後にまた寿司を食べるのはお行儀が悪いととがめられ、注文を締められてしまった。このアイスはデザートではなくスイーツであり、チェイサーである。甘いもの=デザートという認識はおかしいと思うのだが、世間ではどうなのだろうか。私は餡子をおかずにご飯を食べることもできるし、食事しながらケーキを食べることもある。食後に出されるからデザートと呼ぶのであって、そうでない場合はスイーツとしていつのタイミングで食べようが自由ではないかと反論したが納得させることはできなかった。

甘い餡子にご飯を包んだおはぎについてどう考えているのか是非ご説明いただきたいところではあったが、お互いが気持ちよく食事できることのほうが大事ですから、ええ、わたしが譲りました。ここのところ繰り返し行っているデザート論争。次回こそ納得させてみせる。
 

01/06(土)

イッツミーマリオ

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
映画版スーパーマリオ、むちゃくちゃ面白かった。どれくらい面白かったかって、続けて2回、3回と見てしまうくらいには最の高だった。声出して笑っちゃったもの、このクールなワタクシが。これから見る人は映像に集中できるよう、ぜひ吹き替えで楽しんでもらいたい。

ゲームっ子として育ってきた私は当然、ファミコン版のドット絵のころから彼らのことを知っているわけだが、マリオに関連して強く記憶に残っているのは、なぜか韓国人のことだ。nintendo64の時代、バイトをして暮らしていた私は韓国から留学中の同僚に、本体ごと「スーパーマリオ64」を借りた。その韓国人は既婚で、結婚後に奥さんを連れて留学してきたというのだから、今思えば裕福な家庭だったのだろう。それでも1日シフトのときに持参する奥さんの手作り弁当にキムチが入っていたときは、やっぱりキムチなんだ、と妙に納得したものである。

マリオは結局、1日でクリアした。借りた翌日が休みだったので、1日中遊び倒して次の日に返却したら、とても驚いていた。そこからゲーマーとして仲間意識が芽生えたのか、いたく気に入られた。身なりに無頓着で清潔感がなく、紙袋にポスターをいっぱい挿していて気味が悪い、つまり宅八郎がゲーマーやオタクの一般的な認識であった時代、茶髪に厚底ブーツを履いてtry meしている安室奈美恵がゲーマーだったと想像してみてほしい。ドロドロとした有象無象ひしめくパンドラの箱の底に残っていた輝ける希望、それが私だったのである。

そんな希望も今では有象無象のドロドロであるわけだが、とにかく当時try meだった私は、この件から過度に気に入られてちょっかいをかけられるようになった。少し高い台に上って作業しながら会話していたら「ちょうどいい高さ」と言ってきたので何がちょうどいいのか、と尋ねたらキスするのに、といった具合の、受け取る側の判断によってはレッドカードが秒で3枚出されるようなきわどいちょっかいだ。断っておくが、相手の見た目は「大人になったのび太」という例えがしっくりくる、普通を極めた韓国人である。どこからその自信がでてくるのか、迷惑と思われているなどみじんも想像しないハートの強さは日本人も見習ったほうがいい。

何もなかったから今こうして書きなぐっているわけだが、平たい顔族のアムラーに海外の軽いノリで接してきた韓国人ののび太からマリオを借りた、という思い出は当然映画に1mmも関係していない。ちなみに、韓国といえばキムチという連想を決定づけたのは、バイト先の2階に住んでいた韓国人が朝からキムチ鍋を食べ、下階にある事務所に激臭テロを起こすという暴挙にでていたことが原因である。

映画に関して最後に一つだけ、純粋にピーチ姫のことが好きなクッパへの態度が塩すぎる点は少し悲しくなった。「俺だって幸せになりたい」と叫んだクッパに同情するのは間違いなのか、まあ海外ではNOをはっきり言うのが普通だろうから、そう感じるのは平たい顔族だけだろう。マリオを認めていなかった父親が急に態度を変えたことも引っ掛かって、勧善懲悪のハッピーエンドを心から喜べない私であった。
 

01/07(日)

雨? 雪?

これだけ休みがあったにも関わらず、なぜ今日雪を降らせるのだ。
 

その女、アレックス

その女アレックス (文春文庫)
誘拐されたアレックスとは何者ぞ? それを我らがカミーユたちと知っていく物語。読了後、しばらく他の本に手をつけられなくなるほど深みにはまってしまった。彼女が悲しみに満ちていた理由が明かされるたび真の加害者に鉄槌を、と思うのだが、そのあたりも現実の理不尽さが描かれていて、もどかしいやらくやしいやら。彼女の心を復讐が支配したとしても、誰にもとがめることなどできない。暗い気持ちで読み進めた最後、嫌味のカタマリ判事が言った一言で、雲間から光が差した。何よりカミーユたちが彼女の孤独に寄り添ってくれたことが嬉しかった。