pu-log’s diary

たくさんの物語と出会うことを今年の目標とする。

2倍!2倍!「ダブルヘッド・ジョーズ」感想(映画)

大学の合宿のため、太平洋を航海しながらソロモン諸島に向かうバビッシュ教授と学生たち。若い男女が根を詰めて勉強に集中できるわけもなく、次々と息抜きで日光浴をし始める中、クルーザーの船底にサメの死骸が衝突した。衝撃で破損した船を修理する間、一行は近くにあるサンゴ島に上陸し、安全を確保することに。遊び気分の抜けない学生が単独行動を始めるとともに、一人、また一人と双頭の鮫に襲われていく。

ダブルヘッド・ジョーズ [DVD]

制作は2012年、製作のアサイラムは低予算映画を作るなら俺たちにまかせておけ、というB級映画の老舗会社だ。
 

簡単感想

1匹でもおもしろいんだから頭増やしたらおもしろさも2倍になるんじゃね? という安易な発想がクリエイティブの場では非常に有効であるという好事例。女性はビキニ、男性はおバカという基本に忠実なエサが多数登場し、この人はここで食べられます、という予言を外すことなく順当におなかに収まっていく。低予算を隠すこともないチープな映像でまったく怖くはないが、ダブルヘッドを生かしたダイナミックな襲撃シーンは迫力もあり、お金をかける部分とそうでない部分の取捨選択はきちんとなされている。私の評価は★3.3。サメ映画が好きな人、ツッコミこそ我が人生と思っている人は特に満足できる映画だろう。

パニックに次ぐパニック!

こういう映画に多くを語る必要はないと思うので、個人的に気に入ったところを3つあげる。
 
・女学生がぽろり
しかも二人、ダブルだけに。一般的な評価のうち★2つ分はこのことが占めているんじゃないカナーと思っているのだが、少なくとも私の脳内おじさんのおじさんはとても元気になった。ぷるんとした女学生二人にはさまれてだらしのない顔をしている男子学生を見て、あれ? 俺は今鏡を見ているのかナ? と錯覚した諸兄も数多いるはず。最初から最後までビキニがたくさん拝める映画にあっても、このサービスはなかなかないだろう。脱げよと言われてノリノリでビキニを脱ぎ捨てるパリピの奔放さにありがたみを感じつつ、このあとサメにどう食べられるのかワクワクの予感が止まらない名シーンだ。
 
・教授がバカ
パリピご一向を率いるバビッシュ教授が、何ともなさけない人物でおもしろい。指導者と自称しつつ特に何も指導することはなく、足がちょっと切れただけでこの世の終わりが来たかのような大騒ぎをして生徒に迷惑をかける困ったちゃんの大人だ。

彼のラストシーンもすばらしかった。橋の上で妻と抱き合い、最後のときを待つ二人。そこに何の前触れもなく大津波が押し寄せてきた瞬間、世界はディープ・インパクトへと変貌を遂げた。津波の中にダブルヘッドの魚影が見えて我にかえったわけだが、ここだけ異次元の力がこもった演出に相当カルメン好きのスタッフがいるのだろうなと思った。
 
・ダブルヘッドの安全地帯、見ーつけた!
終盤、いよいよ追い詰められた生徒が棒きれ一本でダブルヘッドと対決するシーン。襲ってくる勢いをいなし、うまい具合に頭と頭の間にはさまって交互に棒きれをぶっ差し攻撃する勇姿を見て「その手があったか!」とヒザを叩きすぎてヒザの皿が割れました。残念ながらこの弱点は2作目で克服されてしまうのだが、仮に現実で多頭サメに遭遇したとしてもダブルヘッドまでなら対応可能ということがわかった。この安全地帯を知っているだけで、生存確率はぐんと上がるに違いない。
 
あとは上陸した小島が崩壊するとか、自ら食べられやすい位置に移動するとか、特に中盤以降は3分に1回はツッコミどころがあってお茶を飲んでいるヒマもない。B級ということをわかってさえいれば、とても楽しい時間が過ごせるよい映画だった。
 
ダブルヘッドが食べても食べてもお腹がいっぱいにならないのはなぜか、という疑問については脳が2つあることと海での膨大な運動量が関係しているのではないかと勝手に結論付けている。人間だって頭を使えばお腹が減るし、サメも同じなのではないだろうか、たぶん。