pu-log’s diary

たくさんの物語と出会うことを今年の目標とする。

週末に見た映画の話

アマプラとyoutube作品

ピクシー 復讐の女神

ピクシー 復讐の女神 (吹替版)
あらすじが結末まで書いてあるwiki
ピクシー 復讐と逃亡 - Wikipedia
2020年イギリスの映画。偶然大量の麻薬を手に入れた男女3人が、ギャングを出し抜いて大金を手に入れようとする話。神父がギャングだったり殺人をしても楽天的だったり、雰囲気や音楽のチョイスからはタランティーノの影響を感じる。悪くはない。悪くはないが、とっちらかった印象が残った。

原因は邦題およびジャケットと内容がリンクしていないからだと考える。まずタイトル、これを考えた人は本作をちゃんと見てほしい。私の記憶が確かなら、ピクシーが復讐のそぶりを見せたのは冒頭とクライマックス佳境のラスト10分くらいだけであった。仮に違っていたとしても、間違いなく物語の9割は小悪魔チャンネーと思春期男子2人の楽しくもハプニング満載の珍道中記である。つまりコメディ色が強く、タイトルから連想するような復讐のためにピクシーが暗躍するといったサスペンスフルな展開はゼロ。それでこのタイトルをつけるのは視聴者と同じくジャケットから連想したか、男性視聴者を釣るための確信犯としか思えない。

そのジャケットであるが、赤いドレスの女性、うしろにサポート役らしき男性、炎をあげて走る黄色のスポーツカーときて内容を女版007あるいはパリピニキータと思った人の感覚は正しい。だが、前述のとおり本作はいたずらっ子たちが片田舎のギャングから金を巻き上げるコメディだ。スパイアクションを連想させるジャケットは、おそらく監督なりの洒落である。あくまで監督がタラちゃんのファンと考えての想像だが、そうじゃなかったら、ええと、それ以外の理由が思い浮かばない。本当にそうだったとしたら遊びはもうちょっと知名度があがってからにしなさいと誰かしら助言するべきであった。
 
ここまで書いて内容にまったく触れていないことからもわかるように、実は印象に残っている場面がない。自由奔放な女の子が一人勝ちする物語が好きなら楽しめるかも★3。

 

アトラクション 制圧

アトラクション 制圧(吹替版)
泣いた。ロシアがこんなにいい映画を作っていたなんて、おばちゃん知らなかった。

ロシア上空に流星群が出現した日、モスクワに巨大な宇宙船が墜落した。街を破壊しつくした宇宙人を退治するべく奮起したのは、軍司令官の娘ユリアの彼氏も加わっている悪ガキグループだった。彼氏と共に墜落現場を調べていたユリアは、あることをきっかけに宇宙船の乗組員と関わることになる。交流を続けるうち、彼が侵略に来たのではないことを知ったユリアは彼を宇宙へ帰すべく奔走する。

とても素敵な未知との遭遇だった。ユリアがどこでいつ何がきっかけで彼のことを好きになったのかまったくわからないけれど、感動して泣いてしまったからどうでもいいわ。結局は感動させたもの勝ちなのよ、だってこの映画2時間しかないのだもの。

つまり異星人が侵略してきた映画ではなく、異星人が侵略してきたと勘違いした地球人が暴走する中、異星人と一握りの地球人が互いを認め合う物語である。私は大好きだけれど、ジャケットから得られる印象とはかけ離れた内容だからか一般的な評価は低めだ。

なんだ異種族恋愛映画か、つまらんと思う人の気持ちもわかる。きれい事の恋愛しか描かれていなかったら私もそうなっただろう。だが今作はそれだけではなく、得体のしれない存在に平穏な日常を侵された人間の不安感、そして恐怖に支配され暴走を始める人々の様子もリアルに描かれていたのだ。異星人ではなく民衆を抑えるために出動する軍隊、自分たちを攻撃してきた人間を傷つけることなく船を守ろうとする異星人、これを現実的と見てしまうのだから、私も大概人間を信用していない。

私の評価は★4.3。CGは圧倒的な迫力だったし、感情が動かされたことで宇宙人侵略SFよりもっと世界に入り込むことができた。youtubeでも期間限定で無料公開されているよ。

 

アトラクション 侵略

アトラクション 侵略(吹替版)
前作から3年後の世界が舞台。死んだはずの彼が生きていた、というジャンプ設定で作られた続編。テクノロジーと人間の攻防が描かれ、スケールの大きさは前作以上。ただ、異星人の彼が生きていただけではなく、地球で仕事をしながら暮らしていたというご都合主義に走ってまで作る内容ではなかった。人知を超える水攻めでモスクワ全土が沈んでいく中、毅然と指揮をとり続けるユリアパパが一番の見どころ。前作越えは難しかった★3.8。

 

チェイサー

チェイサー(日本語字幕版)
子どもを誘拐された母親がしゃかりきな運転テクニックを駆使して執念の猛追をするサスペンス作品。この映画から学んだことは、子どもを持ったらダカールラリーに出場できるくらい頑丈な車に乗ることと、スマホは絶対スマホショルダーで首からかけておくことである。これさえ守っておけば万が一同じ状況になったとしても、電話を落として警察を呼べないもどかしさに身もだえすることもないし、カーチェイスで他の車に体当たりしたとしても大抵は相手側が吹っ飛んでくれるから余計な心配をせず追跡に専念することができる。

交通ルール無視の追跡劇が延々と続いたらどうしようかと思っていたら、途中から車を降りてくれてほっとした。さすがにカーチェイスだけで90分は厳しい。犯人もとんでもなく面倒くせえ子どもを拾ったことを後悔しただろうから★3。